生物の行動目的は種・個体の生存ではなく遺伝子の生存で、そう考えると一見利他的な変わった生物の振る舞いの理由も大体説明がつく、というのが色んな事例で説明されていてわかりやすく面白かった。「ミーム」の考え方が結構好き。
ネット上で投資家の出す株式売買の注文が複数の取引所に届くときに生じる取引所間の微小な時間差を利用して、100%勝てるフロントランニングなる方法で取引をする高頻度取引業者たちがウォール・ストリートに蔓延ってた話。 ナノ秒でも早く取引するために出来るだけ取引所に近い場所を借り、LANケーブルも弛みなくピンと張った状態でマシンに繋いで、みたいな工夫がすごい。 スプレッドネットワークスとかいう会社はシカゴからニューヨークの取引所まで「法が認める範囲で一番まっすぐな道筋」で繋ぐためのをケーブルを数年がかりで開設して数億円の使用料で業者達に貸してた。 読んでる時はフィクションかと思うほどありえない話に思えたがノンフィクションらしい。 仮想通貨市場でも出来高のほとんどを一般投資家か取引所自身が動かしてるアルゴリズム取引が占めると聞いたことがあり、金融業界ってすごいんだなと思う。
陸運と海運の物流システムを大きく変えた発明であるコンテナの誕生の話。 発想のスケールの大きさと規制や競合や組合と戦い続ける意思の強さ、コンテナの規格決めで各社が揉めるところが良かった。
昭和の証券会社ってこんなにハチャメチャで悪かったのか、と思った。webと全く違う業界なので、働き方やモラルのなさや徹底して金のことを考える姿勢が新鮮で面白く感じた。